2009年10月17日
子どもとメディア
先日、参加した育児セミナーの講師は九州大谷短期大学准教授でありNPO子どもとメディア常任理事の原陽一郎先生。
「子どもを賢く育てるには ~親が子どもにできること~」というテーマで生活習慣やメディアとの関わり方を中心としたお話を伺いました。
昨日は生活習慣についてご紹介いたしましたが、本日はメディアとの関わり方について。
我が家でもテレビを見ない生活をしておりましたが、Babyちゃんがまとまって眠るようになった3ヶ月くらいからでしょうか、夫はテレビをつけだしました。
見たい番組があるときはまだしも、最近はたいして見たくなくてもただつけるんですね・・・。
彼に聞いてきた話をすると、そういう話って極端な例を誇張して話してるだけでしょ?と否定的な意見。マイケルムーア派なので、何か事件が起こったときに何かの影響にしたがるのは違うと思う、”家庭環境”といってしまうのはよくないと思うけど、結局親の教育でしょ?と。
ま、そりゃそうです。テレビを見せなかったらそれだけでいいってわけでもありませんし、悪いものからすべて隔離することも不可能。そして自分で選択する力もつけてあげないといけませんものね。
でもさ、仕事して帰ってきて夕食のときにテレビを見ていたら、子どもとの会話する時間ってないんじゃない?話さないと考えていることも分からないし・・・、という話をすると、あまりピリピリするのが一番よくないと思うけど、要はコミュニケーションが大事=食事のときにテレビは見つけないということで同意をえました。
また、テレビ画面の”刺激”については彼も気になっていたそうで、小さいうちは極力見せないということを言ってくれました♪
よかったぁ。
参加している多くのママもパパに聞かせたいって言ってたんですよね。
さて、メディア漬けの何が問題なのか。
以前も紹介した小児科学会の提言では、乳幼児の間で最近、人とうまく関われない子どもが目立っているそうです。
その特徴として、呼んでも振り向かない、表情がない、言葉がおそい、テレビを消すといやがる、いっときもじっとしていない、視線が合わない、ということがあげられ、テレビを消すことによってこれらが改善されたという報告があります。
そして、”テレビを見ている時間”ではなく、”テレビをつけている時間”が問題なんだとか。
他にも視力の低下や外遊びの現象で低力が落ちている、など。
とここまでは、知っていましたがもっと具体的な話を伺いました。
■脱感作効果
テレビ暴力に多くさらされると暴力に慣れてしまい、何も感じなくなる。自分自身が暴力を振るいやすくなるということではないが、他の弱者が暴力を振るわれても何も感じずに傍観するだけとなる
■観察学習効果
メディアの模倣(真似)をする。もちろん真似していい内容と真似していけない内容があるわけですが、テレビに限らずDVDやソフトを使った早期教育が、盲目的に「メディア」の内容を模倣することにつながらないかという懸念もあるようです。
一番メジャーな早期教育の講座、わたくしもすでに申し込んでいますが、ちょっと考えてしましました。
たしかに、生活習慣を教えるのにDVDを見せなくても、自分がやってみせればいいわけです・・・。
教材を見てから、使うかどうか、また継続するかやめるかを検討したいと思います。
■カルティベーション効果
「世界」の認識がゆがむ。この効果は、テレビの世界と現実との混同が生じ、必要以上に危険間と恐怖感が増加することを指します。9.11事件の映像を見て(現在は静止画しか映さないというとりきめがあるそうです)、何十機も飛行機がビルに突っ込んだと思っている子どもがたくさんいたそうです。
ニュースは真実を伝えている(というのが基本)ですが、認識力が未熟な子どもたちがこれを見るのがよいことなのか?ということも問題とされています。
また、お笑い番組を子どもが見ると、ストーリー展開はわからないが、大人が笑う=喜んでいる、ということはわかるため、このように表現すればおとなは喜ぶ!、このように表現することはよいことだ!と思ってしまうそうです。また多くの「ツッコミ」は、関係の要素を切っています。場面展開のために、話を切る表現であることは当然ですが、これを単体で使ってしまうと、他者との関係を切ることにつながりかねない・・・。
小児科学会は2歳までは見せないと言っていますが、できれば小学校にあがるまで、せめて3歳までは見せないほうがいいんですって。小さいときにテレビを見る習慣をつけないってことですね。
それから、こちらがもっと怖い話。
・TVゲームとパソコンは子どもの脳の健康を根底から奪う可能性がある
ゲーム脳には賛否両論あるようですが、驚くべき内容のゲームを実際に見せてもらいました。
R15になっていましたが、日本の法律ではR指定をその年齢以下の子に売っても与えても、罪にならないんですって。それが問題な気が・・・。
・脳は使わないとさぼるようになる
同じ文章でも印刷した字を読むのと画面で読むのは脳の使い方が違うそうです。
手紙を書くのも便箋に書くのとメールを書くのでは違うとか。
でもパソコン使って論文書くとなれば、すっごい頭使うと思うですけど・・・と、思う反面、たしかに電子辞書で調べた言葉はなかなか覚えませんね。それに、携帯電話を使うようになって電話番号覚えなくなりましたし、パソコンを使うようになって漢字がなかなか出てこないというのは実感しています。
・テレビゲームも携帯電話も、パソコンも音韻ループをあまり使わないので、行動が衝動的になるのではないか?という懸念
”音韻ループがうまく機能していない”、”視覚情報中心の行動が強化されている”ということとの明確な相関関係が証明されていないようですが、ノートがとれない(とらない)、すぐに顔に出る、文脈をとらえることが苦手な学生が増えているそうです。
例えば、大学で「言語表現・日本語」という授業があるそうです。
もちろん日本人向け。しかも歯科大で・・・。
九大では、「ノートのとり方」という冊子を配っているとか・・・。
テレビ番組の内容については、子ども向けの番組ならOKか?というとそれも疑問があるようです。
最近のヒーローものは意味のないアクションシーンばかりで、伝わるのは暴力と購買意欲だそうです。
と言われても、見たことないから分かりませんけど、ママ向けにイケメン俳優を使ってるって話は聞いたことあります。とか言いつつ、わたくしも少し前に、ネットの記事で「吉川晃司が仮面ライダーに!」というタイトルを見て、見てみようかと思いましたもの・・・。
それから”刺激”について。
ポケモンショック以降、点滅は減少したものの、光はたくさん使われています。
光のほかにも、場面展開が速いのも問題。
例えば、「アルプスの少女ハイジ」のオープニングソングは60秒で場面の切り替えは10回ですが、今のアニメは60秒に60回だったりするのです。
NHKの某子ども向け番組ですら、歌のコーナーでライトが回っています。
実際に映像を見ると、大人でも目がいくのは光。
単に子どもが画面を見るように作られているようです。
生活習慣をつけるためのアニメも意味が分からなかったし・・・。
そしてこの”刺激”ですが、技術の進歩によって刺激量が増大しているので、「私が子どもの頃もよく見ていた!」は通用しないそうです。
まず、まぶしさが、機器の違いで昔より強いこと。それから、”赤影(?)”をリアルタイムで見ていた人たちの時代のテレビは254色で、わたくしたちの子ども時代は1684色、そして今は1677万色!フルHDTVだと10億色!!だそうです。
もちろんそれだけの色を認識できるわけはありませんが、画面がきれい→刺激が強い。そして子どもの脳は未熟なので、刺激が強すぎるのだとか。
テレビを見る距離も言われていました。
最近のテレビは電磁波が出てないとか、画面がきれいだからとかいう理由で大画面でも問題ないと電気やさんは言われますが(わたくしも実際に聞いたことあります)、人間の視野はテレビ画面の対角線の3倍の距離離れたところで見る画面の大きさしか実際は見えてないので、脳のためにも離れてみないといけないのだそうです。
ま、いずれにせよ小さいうちはテレビをつけなければ済む問題ですが、子どもがテレビを見たい年齢になったとき、携帯やパソコンを使う年齢になったときのほうが悩みそうですね。
なるようにしかならないんでしょうけど、とりあえず本と冊子は購入してみました(笑
最後に、この3日で感じたこと。
夕食時、Babyちゃんがまだ起きていたので、さっそく夫がテレビをつけないでいてくれました。
すると一般的に言われているように、夫婦の会話も増えたのです!!テレビがついていると、その内容については少し話しても、やっぱり会話が減るんですよね・・・。
で、私たちが話をしていると、Babyちゃんもご機嫌♪なのでした。
「子どもを賢く育てるには ~親が子どもにできること~」というテーマで生活習慣やメディアとの関わり方を中心としたお話を伺いました。
昨日は生活習慣についてご紹介いたしましたが、本日はメディアとの関わり方について。
我が家でもテレビを見ない生活をしておりましたが、Babyちゃんがまとまって眠るようになった3ヶ月くらいからでしょうか、夫はテレビをつけだしました。
見たい番組があるときはまだしも、最近はたいして見たくなくてもただつけるんですね・・・。
彼に聞いてきた話をすると、そういう話って極端な例を誇張して話してるだけでしょ?と否定的な意見。マイケルムーア派なので、何か事件が起こったときに何かの影響にしたがるのは違うと思う、”家庭環境”といってしまうのはよくないと思うけど、結局親の教育でしょ?と。
ま、そりゃそうです。テレビを見せなかったらそれだけでいいってわけでもありませんし、悪いものからすべて隔離することも不可能。そして自分で選択する力もつけてあげないといけませんものね。
でもさ、仕事して帰ってきて夕食のときにテレビを見ていたら、子どもとの会話する時間ってないんじゃない?話さないと考えていることも分からないし・・・、という話をすると、あまりピリピリするのが一番よくないと思うけど、要はコミュニケーションが大事=食事のときにテレビは見つけないということで同意をえました。
また、テレビ画面の”刺激”については彼も気になっていたそうで、小さいうちは極力見せないということを言ってくれました♪
よかったぁ。
参加している多くのママもパパに聞かせたいって言ってたんですよね。
さて、メディア漬けの何が問題なのか。
以前も紹介した小児科学会の提言では、乳幼児の間で最近、人とうまく関われない子どもが目立っているそうです。
その特徴として、呼んでも振り向かない、表情がない、言葉がおそい、テレビを消すといやがる、いっときもじっとしていない、視線が合わない、ということがあげられ、テレビを消すことによってこれらが改善されたという報告があります。
そして、”テレビを見ている時間”ではなく、”テレビをつけている時間”が問題なんだとか。
他にも視力の低下や外遊びの現象で低力が落ちている、など。
とここまでは、知っていましたがもっと具体的な話を伺いました。
■脱感作効果
テレビ暴力に多くさらされると暴力に慣れてしまい、何も感じなくなる。自分自身が暴力を振るいやすくなるということではないが、他の弱者が暴力を振るわれても何も感じずに傍観するだけとなる
■観察学習効果
メディアの模倣(真似)をする。もちろん真似していい内容と真似していけない内容があるわけですが、テレビに限らずDVDやソフトを使った早期教育が、盲目的に「メディア」の内容を模倣することにつながらないかという懸念もあるようです。
一番メジャーな早期教育の講座、わたくしもすでに申し込んでいますが、ちょっと考えてしましました。
たしかに、生活習慣を教えるのにDVDを見せなくても、自分がやってみせればいいわけです・・・。
教材を見てから、使うかどうか、また継続するかやめるかを検討したいと思います。
■カルティベーション効果
「世界」の認識がゆがむ。この効果は、テレビの世界と現実との混同が生じ、必要以上に危険間と恐怖感が増加することを指します。9.11事件の映像を見て(現在は静止画しか映さないというとりきめがあるそうです)、何十機も飛行機がビルに突っ込んだと思っている子どもがたくさんいたそうです。
ニュースは真実を伝えている(というのが基本)ですが、認識力が未熟な子どもたちがこれを見るのがよいことなのか?ということも問題とされています。
また、お笑い番組を子どもが見ると、ストーリー展開はわからないが、大人が笑う=喜んでいる、ということはわかるため、このように表現すればおとなは喜ぶ!、このように表現することはよいことだ!と思ってしまうそうです。また多くの「ツッコミ」は、関係の要素を切っています。場面展開のために、話を切る表現であることは当然ですが、これを単体で使ってしまうと、他者との関係を切ることにつながりかねない・・・。
小児科学会は2歳までは見せないと言っていますが、できれば小学校にあがるまで、せめて3歳までは見せないほうがいいんですって。小さいときにテレビを見る習慣をつけないってことですね。
それから、こちらがもっと怖い話。
・TVゲームとパソコンは子どもの脳の健康を根底から奪う可能性がある
ゲーム脳には賛否両論あるようですが、驚くべき内容のゲームを実際に見せてもらいました。
R15になっていましたが、日本の法律ではR指定をその年齢以下の子に売っても与えても、罪にならないんですって。それが問題な気が・・・。
・脳は使わないとさぼるようになる
同じ文章でも印刷した字を読むのと画面で読むのは脳の使い方が違うそうです。
手紙を書くのも便箋に書くのとメールを書くのでは違うとか。
でもパソコン使って論文書くとなれば、すっごい頭使うと思うですけど・・・と、思う反面、たしかに電子辞書で調べた言葉はなかなか覚えませんね。それに、携帯電話を使うようになって電話番号覚えなくなりましたし、パソコンを使うようになって漢字がなかなか出てこないというのは実感しています。
・テレビゲームも携帯電話も、パソコンも音韻ループをあまり使わないので、行動が衝動的になるのではないか?という懸念
”音韻ループがうまく機能していない”、”視覚情報中心の行動が強化されている”ということとの明確な相関関係が証明されていないようですが、ノートがとれない(とらない)、すぐに顔に出る、文脈をとらえることが苦手な学生が増えているそうです。
例えば、大学で「言語表現・日本語」という授業があるそうです。
もちろん日本人向け。しかも歯科大で・・・。
九大では、「ノートのとり方」という冊子を配っているとか・・・。
テレビ番組の内容については、子ども向けの番組ならOKか?というとそれも疑問があるようです。
最近のヒーローものは意味のないアクションシーンばかりで、伝わるのは暴力と購買意欲だそうです。
と言われても、見たことないから分かりませんけど、ママ向けにイケメン俳優を使ってるって話は聞いたことあります。とか言いつつ、わたくしも少し前に、ネットの記事で「吉川晃司が仮面ライダーに!」というタイトルを見て、見てみようかと思いましたもの・・・。
それから”刺激”について。
ポケモンショック以降、点滅は減少したものの、光はたくさん使われています。
光のほかにも、場面展開が速いのも問題。
例えば、「アルプスの少女ハイジ」のオープニングソングは60秒で場面の切り替えは10回ですが、今のアニメは60秒に60回だったりするのです。
NHKの某子ども向け番組ですら、歌のコーナーでライトが回っています。
実際に映像を見ると、大人でも目がいくのは光。
単に子どもが画面を見るように作られているようです。
生活習慣をつけるためのアニメも意味が分からなかったし・・・。
そしてこの”刺激”ですが、技術の進歩によって刺激量が増大しているので、「私が子どもの頃もよく見ていた!」は通用しないそうです。
まず、まぶしさが、機器の違いで昔より強いこと。それから、”赤影(?)”をリアルタイムで見ていた人たちの時代のテレビは254色で、わたくしたちの子ども時代は1684色、そして今は1677万色!フルHDTVだと10億色!!だそうです。
もちろんそれだけの色を認識できるわけはありませんが、画面がきれい→刺激が強い。そして子どもの脳は未熟なので、刺激が強すぎるのだとか。
テレビを見る距離も言われていました。
最近のテレビは電磁波が出てないとか、画面がきれいだからとかいう理由で大画面でも問題ないと電気やさんは言われますが(わたくしも実際に聞いたことあります)、人間の視野はテレビ画面の対角線の3倍の距離離れたところで見る画面の大きさしか実際は見えてないので、脳のためにも離れてみないといけないのだそうです。
ま、いずれにせよ小さいうちはテレビをつけなければ済む問題ですが、子どもがテレビを見たい年齢になったとき、携帯やパソコンを使う年齢になったときのほうが悩みそうですね。
なるようにしかならないんでしょうけど、とりあえず本と冊子は購入してみました(笑
最後に、この3日で感じたこと。
夕食時、Babyちゃんがまだ起きていたので、さっそく夫がテレビをつけないでいてくれました。
すると一般的に言われているように、夫婦の会話も増えたのです!!テレビがついていると、その内容については少し話しても、やっぱり会話が減るんですよね・・・。
で、私たちが話をしていると、Babyちゃんもご機嫌♪なのでした。
Posted by tacky at 22:58│Comments(0)
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